夏の暑い時期には、汗をかく機会も増えるでしょう。汗をかいたときには、かゆみが出るケースも少なくありません。「我慢できずに、ついかきむしってしまう…」という人も多いのではないでしょうか。

なぜ汗をかくと肌がかゆくなってしまうのか、わかりやすく解説します。またかゆみを防ぐための予防策についても詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

汗をかくと感じるかゆみの原因

汗をかいたときに「かゆい！」と感じるのには、きちんとした理由があります。5つの原因について、わかりやすくお伝えします。

汗に含まれる成分と肌の反応

人間の身体から分泌される汗には、さまざまな成分が含まれています。なかでも塩分やアンモニアは、肌に影響を与えやすいもの。

バリア機能が低下した肌に影響を及ぼし、かゆみの原因になります。塩分やアンモニアのやっかいなところは、水分が蒸発しても皮膚の表面にそのまま留まり続けるところです。

シャワーを浴びたり、汗拭きシートで拭き取ったりしない限り、かゆみは収まりません。

湿疹やあせものリスク

大量の汗をかいたときにできるあせもも、かゆみを感じる原因になります。正式名称は「汗疹」と言って、湿疹の一つです。「かゆい！」と感じる部分に赤みのあるポツポツとした湿疹ができていたら、あせもである可能性が高いでしょう。

あせもができる原因は、汗の量が多すぎてスムーズに排出されないためです。皮脂や汚れが汗腺に詰まり、炎症を起こすことで発生します。

あせもと言えば、「幼い子どもがなる皮膚疾患」というイメージもありますが、実は大人にとっても身近なものです。「かゆいから」とかきむしると、さらに症状は悪化します。

皮膚バリア機能の低下

汗をかいたとき、強いかゆみを感じる人もいれば、「ほとんど気にならない」という人もいるでしょう。両者の違いは、皮膚のバリア機能にあります。

皮膚にはもともと、外部の刺激から守るためのバリア機能が備わっています。正常に働いていれば、汗をかいてもその刺激に負けることはありません。

何らかの理由でバリア機能が低下していると、些細な刺激でもかゆみを感じやすくなってしまうでしょう。

アレルギー反応との関連性

汗によるかゆみには、アレルギー反応が関わっているケースもあります。アトピー性皮膚炎を悪化させ、その結果かゆみが強くなってしまう人も多いようです。

このほかにも、発汗を促す神経伝達物質「アセチルコリン」に免疫細胞が反応しかゆみを起こしてしまうケースや、常在菌であるカビの一種に対してアレルギー反応を示すケースなどが報告されています。

汗をかくことによる菌の繁殖

皮膚の常在菌である「マラセチア菌」は、汗や皮脂が多く分泌される時期に増殖しやすいという特徴があります。

肌のバリア機能を低下させ、あせもを悪化させる可能性も。かゆみが強くなる要因の一つと考えられています。

かゆみを防ぐための予防策

汗に対してネガティブなイメージを抱く人も多いでしょうが、体内の熱を発散させるために欠かせないもの。決して悪いものではありません。

重要なのは、汗をかいたあとに「かゆい」と感じさせないための予防策です。5つのポイントを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

適切な汗の拭き取り方法

汗でかゆみを生じさせないためには、できるだけ素早く拭き取るのがおすすめです。シャワーやお風呂で洗い流すのが一番ですが、濡れタオルで拭き取るだけでも効果があります。

ゴシゴシこすると皮膚にダメージを与えてしまうので、そっとぬぐいましょう。市販の汗拭きシートも便利ですが、アルコール配合のものは刺激が強いので注意してください。

着用する服の素材と選び方

汗による肌への刺激を抑えるためには、通気性と吸湿性に優れた衣類を身につけるのがおすすめです。

特に肌に直接触れるアイテムには注意してください。コットン100％のアイテムは、夏場にぴったり。素早く汗を吸収してくれます。ムレることなく、快適に着用できる衣類を選択しましょう。

空調と湿度管理のポイント

汗が原因で強いかゆみが生じている場合、いったん肌の状態をリセットしましょう。汗をかくほど状況は悪化するので、空調や湿度管理に工夫して、「汗をかきにくい環境」を目指してみてください。

温度だけではなく湿度にも注目して空調をコントロールすれば、汗によるお悩みを解決しやすくなるでしょう。

保湿ケアとバリア機能の強化

汗によるかゆみで悩まされないためには、皮膚が本来持っている、バリア機能の強化も重要なポイントです。基本の保湿ケアをおろそかにしないようにしましょう。

汗や皮脂でベタつきがちな夏場は、「冬に比べて保湿ケアがおろそかになりがち…」という人も多いのではないでしょうか。

しかしながら、汗を拭き取ったり、こまめにシャワーを浴びたりと、水分が失われる場面は少なくありません。さっぱりタイプの保湿剤をうまく活用して、夏の素肌を守りましょう。

日常生活の見直しと習慣改善

汗のかゆみを悪化させる原因は、日常の何気ない習慣にも潜んでいます。汗をかいたまま放置したり、「かゆいから」とかきむしったりするのは避けてください。

また普段から汗をかくよう習慣づけておくと、スムーズに排出できるようになるでしょう。「汗をかかないようにする」のではなく、「健康的な汗をかける体質に近づける」のもおすすめです。

かゆみに効くおすすめの制汗剤

汗によるかゆみが気になる場合、制汗剤を使って汗の量をコントロールするのもおすすめです。

制汗剤の種類や選び方について、早速見ていきましょう。

制汗剤の種類と選び方

制汗剤には、以下のような種類があります。

• スティック
• ロールオン
• クリーム
• スプレー
• ウォーター

肌に密着させたい人には、スティックタイプやロールオンタイプがおすすめ。クリームタイプは持続力に優れています。

広範囲の汗対策をしたいなら、スプレータイプに注目してみましょう。さっぱりとした清涼感を楽しみたいなら、ウォータータイプがぴったりです。

敏感肌でも使える製品

敏感肌の人は、肌への負担が少ない制汗剤を選ぶことが重要です。具体的には、アルコールやメントールといった、刺激が強い成分が配合されていない製品を選んでみてください。

これらの成分は清涼感を与えるのに効果的ですが、肌が弱い人が使うとかえってかゆみの原因になる可能性も。着色料やパラベン、鉱物油といった添加物についても、できるだけ無配合のものを選ぶのがおすすめです。

長時間効果が持続するタイプ

1日の生活の中で、制汗剤を何度も使用するのが難しい人もいるでしょう。この場合は、持続性にこだわって選んでみてください。

クリームタイプの制汗剤は、しっとりとした質感のクリームを、肌に密着させて使用します。有効成分が長時間肌に留まるので、汗をしっかりと抑えてくれるでしょう。

臭い対策にも効果的なので、ぜひ注目してみてください。

天然成分を使用した安心商品

制汗剤の中には、天然成分が持つ力をうまく活用したアイテムもあります。刺激が少なく、肌に優しいのが特徴の一つ。

子どもの素肌にも使いやすいでしょう。ひと言で天然成分と言っても、その内容はさまざまです。ぜひそれぞれの製品の特長にも注目して、選んでみてください。

使用時の注意点と正しい使い方

制汗剤は汗の悩みを解決してくれる画期的なアイテムですが、使用方法を間違えると、かえってかゆみを悪化させてしまう恐れもあります。

すでにかゆみが出ている場合には、制汗剤の使用は避けてください。まずは肌の状態を改善させ、健康な素肌に使用するのが基本です。また肌に合わない制汗剤を使うと、それによってかゆみが生じる可能性も。制汗剤を使用中に何らかの異常が現れたら、すぐに使用を中止しましょう。

汗とかゆみに効くスキンケア商品

汗によりかゆみが生じた素肌洗浄料には、正しいスキンケアが必須です。おすすめアイテムの選び方やケアのポイントを解説します。

肌に優しい洗浄料の選択

汗をかく季節には、ボディーソープや石けん、クレンジング剤を使う機会も増えるもの。刺激が強いものや洗浄力が高すぎるものを選ぶと、肌に負担がかかってしまいます。

肌の乾燥や、バリア機能を低下させる原因にもなるので注意してください。できるだけマイルドな洗い心地の、肌に優しい洗浄料を使用しましょう。

保湿力の高いスキンケア用品

シャワーやお風呂上がりには、スキンケアが必須です。肌を乾燥させないため、保湿力の高いアイテムを使用しましょう。

夏の暑い時期には、しっとりタイプよりもさっぱりタイプがおすすめです。乾燥から肌を保護しつつ、心地良さを味わってみてください。

かゆみを和らげるクリームやローション

スキンケア用のクリームやローションの中には、かゆみを和らげる成分を配合したものもあります。

スキンケアとかゆみケアが同時にできるため、かきむしり対策にもおすすめです。症状悪化を予防するためにも有効なので、ぜひ注目してみてください。

入浴剤でのケアとリラックス効果

夏の入浴はシャワーで手早く済ませてしまう人も多いかもしれませんが、湯船にゆっくりと浸かるのもおすすめです。

スキンケア効果のある入浴剤を使えば、全身をしっかりと保湿できるでしょう。心もリラックスできる入浴タイムは、自律神経を整えるためにも効果的です。

睡眠のリズムを整えるためにも、日々の入浴タイムに気を配ってみてください。

日焼け止めの選び方と使用方法

夏に欠かせない日焼け止めも、成分に注目して選ぶのがおすすめです。できるだけ肌への負担が少ないものを選択しましょう。

またウォータープルーフタイプで落とすのに苦労する製品は、洗浄時に肌に負担をかけてしまう可能性も。落とすのに苦労しない日焼け止めを、こまめな塗り直しで対応するのがおすすめです。

かゆみの改善に役立つ生活習慣

頑固なかゆみに悩まされているときには、日々の生活習慣から体内のリズムを整えていくのもおすすめです。以下で紹介する5つのポイントを意識してみてください。

規則正しい生活リズムの維持

生活リズムの乱れは、そのまま体内のバランスの乱れにつながります。「決まった時間に起きる」「1日3食しっかりと食べる」など、規則正しい生活を意識しましょう。

バランスの取れた食事と栄養

肌を健やかに保つための基本は、日々の食事にあります。タンパク質やビタミン類を積極的に摂取しつつも、幅広い食材をバランス良く食べるよう意識してみてください。

どうしても摂取しきれない栄養素は、サプリメントで補給するのも賢い方法です。

ストレスの軽減方法

ストレスは皮膚のかゆみとも関係しています。ため込みすぎないよう注意しましょう。

どうすればストレスを軽減できるのかは、人によって異なるもの。自分自身にとってベストな方法を、ぜひじっくりと検討してみてください。

適度な運動の重要性

体内の巡りを整え、心地良く汗をかける体質を目指すためには、適度な運動も必須です。

ウォーキングやジョギング、ヨガにストレッチなど、気持ち良く身体を動かせる習慣を、ぜひ取り入れてみてください。

良質な睡眠環境の確保

健やかな肌は睡眠中に作られます。睡眠時間はもちろん、質の高さにもこだわってみてください。

かゆみが原因で眠りが浅くなってしまう場合、早期に対処するのがおすすめです。医師の診察を受け、効果の高い薬を使って、一気に治すのも良いでしょう。

本記事読者におすすめしたい商品

「汗で肌がかゆい…」という場合には、悩みを軽減してくれるアイテムも賢く取り入れてみてください。4つのおすすめ商品を紹介します。

化学物質不使用！優しく伸びる保湿用クリーム

敏感肌にも安心の天然由来成分100％の保湿クリーム

脇の悩みにアプローチできる贅沢美容液

角質層にアプローチしてバリア機能を高める薬用入浴剤

汗でかゆいと感じたら自分に合った対策を

汗による肌のかゆみを放置するのはおすすめできません。かきむしってしまえば、肌の状態はさらに悪化。かゆみを我慢すれば、余計なストレスを抱え込んでしまうでしょう。

汗でかゆみを感じる原因を正しく把握していれば、適切な対処法も見えてくるはずです。自分に合った対策・アイテムを、ぜひ積極的に取り入れてみてください。