産後の生理はいつ再開する?心身に与える影響と必要な対策・準備は?

出産を終えたあとは、何かと慌ただしくなりがちです。赤ちゃんのお世話で忙しく過ごすなか、自分自身の体調管理が疎かになってしまうママも少なくありません。
産後の女性の体調で注意するべきポイントの1つが、「生理の再開」です。産後の生理はいつくるのか、授乳や産後うつとの関連性や気になる生理対策まで、わかりやすくお伝えします。「なかなか生理がこなくて不安」「再開するときのために心の準備をしておきたい」と思ったら、ぜひ参考にしてみてください。
産後の生理再開とは

妊娠をきっかけにストップした生理。体調の変化や次回妊娠のタイミングなどを考慮し、「いったいいつ再開するのだろう…」と気になっている人も多いでしょう。産後の生理のタイミングや注意点、以前との違いなど、出産後の女性が知っておきたい情報をまとめます。
産後初めての生理はいつくるのか?
産後初めての生理がくる時期には、個人差があります。出産後3か月までに再開する人もいれば、2年近くストップしたままになることも。1年以内に再開する人が多いものの、それ以上間が空いたからといって、必ずしも「異常」というわけではないのです。
産後初めての生理がいつくるのかには、以下のような要因が深く関わっています。
・授乳の有無
・授乳の頻度
・ママの健康状態
出産前の女性にとっても、生理はとても繊細なもの。生活全体が大きく変化する産後の時期に、リズムが乱れるケースは決して珍しくはありません。
授乳が生理再開に与える影響は?
出産後の生理再開の時期に深く関わるポイントの1つが、赤ちゃんへの授乳です。授乳中の女性の体内ではプロラクチンというホルモンが分泌され、母乳生成をサポートしています。一方で、プロラクチンには排卵を抑制する働きがあり、出産後初の生理が遅れる傾向にあるのです。
このため、母乳ではなくミルク中心で赤ちゃんを育てている場合、生理は比較的早く再開します。産後2~3か月で始まる女性も少なくありません。一方、母乳育児をしている人でも、プロラクチンはずっと分泌され続けるわけではありません。徐々に減り、それにともなって排卵・生理が再開します。授乳回数が多く、また1回当たりの時間も長い場合は、プロラクチンの影響で再開時期が遅れやすくなるでしょう。
産後初めての生理と通常の生理の違いは?
産後初めての生理は、不安定になりがちです。無排卵の状態で生理が起き、出血量が少ないケースも多いでしょう。また反対に、出血量が多く驚いてしまう人もいます。生理リズムは数か月を経て元の状態に戻っていくことが多いようです。
生理再開とホルモンバランスの変化は?
女性の生理にはホルモンバランスが密接に関わっています。妊娠・出産によるホルモンバランスの変化が、生理リズムに影響を与えるケースも少なくありません。産後に過度の疲労状態や睡眠不足に陥ると、ホルモンバランスが変化し、生理再開時期やリズムが乱れやすくなります。
産後の生理再開前の体調変化は?
産後初の生理がいつやってくるのかわからないのは困る…という人もいるでしょう。生理前には以下のような体調の変化を自覚するケースも多いので、ぜひ注目してみてください。
- 下腹部や腰の痛み
- 胸の張り
- イライラ感
- 気分の落ち込み
ホルモンバランスがまだ戻っていない産後の時期には、いわゆるPMSの症状も強く出がちです。いつ生理が再開しても大丈夫なように、準備を整えておきましょう。
生理再開後の症状は以前と異なる?
産後の生理が再開したあと、「妊娠前とは症状が異なる」と感じる人も少なくありません。
- 周期が長くなった(短くなった)
- 経血量が増えた(減った)
- 生理痛が重くなった(軽くなった)
これらは主に、ホルモンバランスの変化によって生じるもので、身体の回復とともに徐々に元に戻っていきます。出産後半年~1年程度は様子を見て、必要に応じて医師に相談しましょう。
産後うつとの関連性は?
産後うつの原因はまだはっきりとはわかっていませんが、出産後の急激なホルモンバランスの変化も要因の1つと言われています。慣れない育児に奮闘するなか、抗不安作用や抗うつ作用を持つ女性ホルモンが一気に減少することで、精神的な影響を受けやすいと考えられています。排卵・生理が再開し、また以前のように女性ホルモンが分泌されるようになれば、気分の落ち込みを軽減できる可能性もあるでしょう。
産後の生理前後に注意したい体調管理
生理前後には体調にもさまざまな変化が現れます。無理なく赤ちゃんのお世話ができるよう、環境を整えておきましょう。PMSや生理痛がひどい時期には、家族の手も借りて休める時間を確保するのがおすすめです。また母乳育児をしている場合、痛み止めの種類や飲むタイミングにも注意が必要です。授乳直後に飲めば大丈夫とも言われていますが、医師や薬剤師に相談すればより安心できるでしょう。
医師に相談すべき症状
産後の生理には個人差があり、正常・異常を自分で判断するのは難しいもの。以下のような症状があれば、自分一人で不安を抱えず、医師に相談してみてください。
- 多い日用ナプキンをすぐに交換しなければならないほど経血量が多い
- 生理が終わったと思ったら、またすぐに次の生理がきてしまう
- 再開したと思った生理が、またすぐに止まってしまった
- 産後1年以上経っても生理が再開しない
自身の状況を的確に伝えられるよう、記録を残しておくと安心です。
産後の生理と心の変化

産後の生理再開とともに、注意しなければならないのが精神面への影響です。事前に対策方法を学んでおきましょう。
気分の浮き沈みと対策法
生理中に、情緒不安定になる女性は多いもの。慣れない育児に奮闘する産後の時期は、特に注意が必要です。赤ちゃんと二人きりで過ごす時間も多い時期だからこそ、無理せず過ごせる環境を整備しましょう。
パートナーはもちろん、家族の助けを得て少しでも自分の時間を持てるようにするのもおすすめです。赤ちゃんと離れ、一人でお茶をしたり、友だちとの会話を楽しんだりするだけでも、気分が落ち込み過ぎるのを防げるでしょう。
パートナーとのコミュニケーションの大切さ
パートナーとの円滑なコミュニケーションも、生理中の心の負担を軽減するのに役立ちます。身体が辛いとき、気軽にサポートをお願いできるかどうかは、普段のコミュニケーションにかかっています。
また特別な助けがなくても、大人同士で何気ない会話を楽しめるのも重要なポイント。余裕のない時期だからこそ、コミュニケーションの機会を増やしてみてください。
産後の自己肯定感を高める方法
産後に自己肯定感が下がったと感じる女性は少なくありません。普段の生活のなかで、できるだけポジティブな言葉を使うのがおすすめです。
また悩みを共感し合える仲間とつながるのも良いでしょう。「自分だけじゃない」という安心感が、心の安定にもつながります。
産後のストレスケアとリラクゼーション
産後の生活の変化は、女性に強いストレスを与えます。育児は24時間365日続くものだからこそ、休憩時間は意識して作り出すのがおすすめです。
パートナーや家族に赤ちゃんのお世話を任せて、一人で外出するだけでも気分は上がります。肉体的にしんどい時期でもあるので、マッサージやリラクゼーションもぜひ活用してみてください。「出かける余裕もない…」という場合は、ただぐっすりと眠るだけでもストレス解消につながります。
疲れがたまって気持ちがあふれ出す前に、定期的に休む機会を設けてください。
心のサポートを求める方法
パートナーや家族にあまり頼れない場合、外にサポートを求めるのもおすすめです。育児中の女性の孤立を防ぐため、自治体もさまざまな取り組みを行っています。ベビーサークルに参加すれば、同じような悩みを持つママたちと気軽につながれます。最近では、SNSを活用したつながりも人気です。
産後の生理再開と日常生活の変化

産後の生理再開は、育児中の生活にもさまざまな変化をもたらします。無理なく対応するためのポイントを解説します。
生理中の家事や育児の負担軽減
産後に生理が再開すれば、家事や育児との両立が必要に。無理なく対応できるよう、事前に周囲の理解を得ておきましょう。家事については、便利なサービスをフル活用するのもおすすめです。宅配や中食も大いに活用してください。
また生理中の赤ちゃんの入浴は、パートナーにお任せできると安心です。どうすれば無理なく対応できるのか、事前に家族で話し合っておくのも良いでしょう。
仕事復帰と生理再開の注意点
出産後、早い段階で仕事復帰を考えている場合、生理再開後の不安定な時期をどう乗り切るかがポイントになります。経血量や期間に変化が生じても対応できるよう、事前に準備を整えておきましょう。また母乳とミルクのバランスを調整し、出産後できるだけ早いタイミングでホルモンバランスを元に戻すという選択肢もあります。不安な点は医師とも相談しつつ、無理なく体調を整えていくのがおすすめです。
無理をしない生活リズムの作り方
産後の生理が負担になりすぎないよう、生活リズムは無理なく整えるのがおすすめです。育児中に特に問題になりやすいのが、睡眠不足や過度な疲労です。生理中は特に、横になって眠れる時間を少しでも長く確保できるよう意識しましょう。家事時間は極力減らし、赤ちゃんのお昼寝中は一緒に横になるだけでも、負担はかなり軽減できます。
また、自分がリフレッシュするための時間を、生活リズムに組み込んでしまうのもおすすめです。ストレスが減り、精神的な負担も和らげられるでしょう。
産後の生理に関するよくある質問
産後の生理に関して、気になる点と回答をまとめます。不安解消のために役立ててみてください。
産後の生理痛は普通よりひどくなる?
産後の生理痛の感じ方には、個人差があります。「重くなった」と感じる人もいますが、「軽くなった」「特に変わらない」と感じる人もいます。ホルモンバランスの乱れが原因でひどくなるケースもありますが、時間の経過とともに徐々に落ち着いていくでしょう。
無月経の期間が長い場合の対処法は?
授乳している場合、産後1年までは様子を見ても大丈夫です。それ以上になっても生理が再開しない場合、一度産婦人科を受診するのがおすすめです。
産後の生理が再開する前に妊娠することはある?
産後の生理が再開する前でも、排卵があれば妊娠の可能性はあります。実際に、「産後一度も生理がこないまま、次の妊娠が発覚した」というケースも少なくありません。身体が十分に回復しない状態での妊娠は、女性にとって負担となる可能性も。生理がきていないからと油断せず、産後1年程度は避妊することが大切です。
産後の経血量が変化したけれど大丈夫?
産後初めての生理は、経血量も不安定になりがちです。多い場合も少ない場合も、数回程度様子を見ましょう。経血量が多すぎる・少なすぎるような状況が継続する場合、専門医に相談してみるのがおすすめです。
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産後の生理がいつ再開するのか、正確に把握するのは難しいもの。いつ始まってもいいように、準備だけは整えておきましょう。産後のママの身体を優しくいたわってくれるような、おすすめの生理用品を紹介します。
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産後の生理がいつ再開しても大丈夫なよう準備を整えて

妊娠中は生理を忘れて過ごす女性も多いはずです。産後は徐々に元のリズムに戻っていくので、できるだけ早いタイミングで準備を整えておくと安心です。ストレスも不調も多い時期だからこそ、少しでも快適に使えるよう、生理用品にもこだわってみてくださいね。