生理中にコーヒーはNG?カフェインが体調に与える影響や対策方法を解説

生理中には、さまざまな不調を実感する人も少なくないでしょう。できるだけ楽に乗り切るため、口にする食べ物や飲み物にも気を配りたいところです。生理中に良い・悪いと言われる飲食物は多くありますが、中でも気になるのがコーヒーについてです。
生理中のコーヒーは、女性の身体にどのような影響を与えるのでしょうか。摂取を避けたほうが良いのかどうか、気になる点をわかりやすく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
生理中のカフェイン摂取とは

生理中のコーヒー摂取が話題に上りやすいのは、カフェインを多く含んでいるためです。女性の生理とカフェインについて、基礎知識から学んでいきましょう。
カフェインの基本的な作用
カフェインの作用と言えば、「眠気覚まし」をイメージする人も多いのではないでしょうか。カフェインがもたらす作用は、それだけではありません。基本的な作用は以下のとおりです。
- 興奮作用
- 利尿作用
- 血管収縮作用
- 運動能力向上作用
- 脂肪の代謝促進作用
コーヒーを飲むと集中力が高まると感じるのは、カフェインが持つ興奮作用によるものです。筋肉や神経を興奮させ、一時的に疲労感を軽減する効果が期待できると言われています。またコーヒーを飲んだあと、やたらとトイレに行きたくなるのは利尿作用があるためです。余計な水分を輩出して、むくみを解消する効果も期待できるでしょう。カフェインを摂取するメリットは、決して少なくありません。
一方で、生理中に大量のカフェインを摂取すると、血管収縮作用により生理痛が悪化する可能性もあります。血管が収縮し血液の巡りが悪くなれば、冷えの原因になります。また経血の排出が、スムーズに行われなくなる恐れもあるでしょう。「身体が冷えないようにホットコーヒーを飲む」という習慣がある場合、カフェインの作用により逆効果になる恐れもあるため、注意してください。
生理期間中のカフェイン摂取に関する研究
生理中のカフェイン摂取については、専門家からもさまざまな意見が寄せられています。血管収縮作用による冷え症状の悪化以外に、鉄分やマグネシウム、カルシウムといった栄養素の吸収を妨げてしまうという点にも注目が集まっているようです。
鉄分は貧血や精神面の安定と深く関わっている栄養素です。マグネシウムやカルシウムは、女性の疲労やストレス、PMSとも深く関わっているとされており、カフェインの影響は無視できません。
「生理中=カフェインは絶対にNG」というわけではないものの、過剰摂取しないよう注意喚起する専門家も少なくないようです。
カフェインとPMSとの関係性は?
生理期間中以外にも、カフェインは女性の身体のリズムに大きな影響を与えます。月経前の辛いPMS症状に悩まされている場合、カフェインの過剰摂取が症状悪化の原因になる可能性も。血管収縮による内側からの冷えは、腹部の張りや痛みを悪化させるでしょう。
またカフェインが自律神経に刺激を与えて緊張状態になれば、ホルモンバランスも乱れやすくなります。興奮作用により交感神経優位の状態が続けば、緊張状態が継続することに。疲労感が増したりストレスを強く感じたりすると、不快な症状をより強く感じてしまいます。
コーヒーに含まれるカフェイン量
生理中にカフェインの過剰摂取はNGとわかってはいても、「完全にコーヒーなしで生活するのは辛い…」という人も多いのではないでしょうか。コーヒーに含まれるカフェイン量を知り、適量を把握しておきましょう。
コーヒーに含まれるカフェイン量は?
コーヒー100ml中に含まれるカフェインの量は、約60mgだと言われています。健康な成人の場合、1日当たりのカフェイン摂取量の目安は200~400mgほど。コーヒーカップで2~3杯程度に留めておくと安心です。生理中の不調が気になる場合は、さらにカフェイン摂取量を減らしてみるのもおすすめです。
他の飲み物との比較
カフェインが含まれている飲料は、コーヒー以外にもたくさんあります。コーヒーと同じように、注意しましょう。
たとえば玉露は、コーヒーの3倍近くのカフェインが含まれています。エナジードリンクは商品によってカフェイン量が異なるものの、コーヒーと同程度入っているものも少なくありません。反対に紅茶に含まれるカフェイン量は、コーヒーの約半分です。「飲み物を飲んでリラックスしたい」という場合には、紅茶を選ぶようにするだけでもカフェイン摂取量を抑えられます。
カフェインフリーのコーヒーとの違い
カフェインの過剰摂取リスクが知られるようになるにつれて、注目されているのがカフェインフリーのコーヒーです。ノンカフェインやデカフェ、カフェインレスといった言葉を目にする機会も増えてきています。
ノンカフェインコーヒーとは、カフェインを一切含まないコーヒーのこと。デカフェは通常のコーヒーからカフェインを除去したもの。商品によってはごく少量のカフェインが残留している場合もありますが、ほぼ影響はありません。カフェインレスコーヒーは、カフェインを90%以上除去したコーヒーのこと。生理対策でカフェイン摂取量を控えたい場合には、どれを選んでも効果的です。
生理中にカフェインを摂取するメリット

カフェインが持つ作用は、決して悪いものばかりではありません。生理中の女性にとって、メリットとなるケースもあります。2つのポイントを紹介します。
エネルギーの増加
カフェインには、神経を刺激して一時的にエネルギーを高める効果があると言われています。生理中になんとなく気分が低下してしまう人や、やる気が出ない女性には、カフェイン摂取が良い意味での刺激となる可能性も。個人差はあるものの、明るい気分で過ごせるでしょう。
気分をリフレッシュさせる効果
気持ちをリフレッシュさせたいときにも、カフェイン摂取はおすすめです。女性の身体のリズムには、メンタル面も深く関わっています。「コーヒーを飲んでリフレッシュしたら、生理痛が楽になった」と感じる人もいます。
生理中のカフェインのデメリット
一方で、生理中のカフェインを摂取した場合、デメリットのほうが強く出てしまう可能性も。具体的にどのような点に注意するべきなのか、わかりやすくお伝えします。
カフェインが生理痛に与える影響
カフェインが生理痛に与える影響には個人差があるものの、「ひどくなった」と感じる人も少なくありません。血管収縮作用による冷えや、血液の巡りが悪くなっていることが、原因として考えられます。
カフェインが生理痛悪化の原因になっているとは気付かないまま、大量摂取を続けてしまう女性も決して少なくありません。1日に3~4杯以上のコーヒーやエナジードリンクを飲み、ひどい生理痛に悩まされている場合、カフェイン摂取量を少しずつ減らして様子をみるのもおすすめです。
ホルモンバランスの乱れへの影響
生理中およびその前後の期間は、女性にとってホルモンバランスが乱れやすい時期。またその乱れが、不調となって現れやすいタイミングでもあります。中枢神経に刺激を与えるカフェインは、自律神経系に影響を及ぼすもの。ホルモンバランスが、さらに乱れる可能性もあるでしょう。少量であれば特に問題はないと考えられていますが、コーヒーやエナジードリンクの飲み過ぎには注意が必要です。
カフェイン摂取の適切な方法
生理中だからといって、カフェインを完全に避ける必要はありません。大切なのは、過剰摂取を防ぐことです。そのために必要な知識とコーヒー選びのポイントを解説します。
摂取量の目安
日本では、カフェイン摂取量に対して明確な基準は定められていません。世界保健機関(WHO)や英国食品基準庁(FSA)では、妊娠中の女性のカフェインを1日あたり200~300mg、コーヒー摂取量は1日3~4杯までという基準を示しています。
カナダ保健省(HC)は2010年に、健康な成人の1日当たりの最大カフェイン摂取量を400mgとする指針を発表しています。一つの目安として参考にしてみてください。
推奨されるコーヒーの種類
普段から1日3~4杯以上のコーヒーを飲んでいる場合、カフェイン摂取量を減らす工夫を取り入れるのもおすすめです。デカフェやカフェインレス、ノンカフェインコーヒーなどもうまく取り入れることで、自然に減らせるでしょう。カフェイン量が少ないコーヒーであっても、香りや味わいで気持ちのリフレッシュは可能です。
近年では、「カフェイン摂取量を減らしつつ、美味しいコーヒーを楽しみたい」というニーズに応える商品も多数登場しています。生理中だからという理由でコーヒーを我慢するのではなく、前向きな気持ちで好みのカフェインレス・ノンカフェインコーヒーを探してみるのもおすすめです。
カフェイン以外の生理対策

生理中の不快な症状が気になる場合には、「カフェインを減らす」以外の対策を取り入れるのもおすすめです。口に入れるものを選ぶときのコツについて、わかりやすくお伝えします。
おすすめのハーブティーや飲み物
生理中には、身体を温める効果のあるハーブティーを取り入れるのもおすすめです。ジンジャーティーやカモミールティー、サフランティーなどは、身体を温める効果が期待できると言われています。お湯を入れた瞬間からただよう優しい香りは、心もリラックスさせてくれるでしょう。
ポリフェノールを多く含むココアにも血管拡張作用があり、冷え予防におすすめです。イソフラボンを多く含む豆乳を、ホットで楽しむのも良いでしょう。
食事による症状緩和の方法
食事においても、身体を温める食材を積極的に取り入れるのがおすすめです。冷たいものはできるだけ避けて、ショウガなど身体を温めるものをうまく取り入れてみてください。また大豆製品や、良質なタンパク質を多く含む肉や魚もおすすめです。ホルモンバランスの乱れを整え、身体の調子を上げていきましょう。
本記事読者におすすめしたい商品
生理中にどのような飲み物を選べばいいのか悩んだときには、自然と人の明日を彩るセレクトショップ『Naturias』の人気商品に注目してみるのもおすすめです。生理中にも安心して楽しめる飲料を、3つ紹介します。
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理中はコーヒーやカフェインとうまく付き合って

カフェインを豊富に含むコーヒーは、生理中の女性の身体にさまざまな影響を与えます。不調が気になる場合、カフェインとの付き合い方を見直すことで、生理期間を楽に乗り切れるかもしれません。状況に応じてカフェインが少ないコーヒーに切り替えるほか、気分を変えて上質なハーブティーを楽しんでみるのもおすすめですよ。