「制汗剤はつかわないほうがいい」はなぜ? 安全かつ効果的な汗対策方法を伝授

気温が上がる時期やスポーツのあとに、重宝するのが制汗剤です。汗によるベタ付きや気になる臭いを解決してくれるでしょう。
ドラッグストアには多種多様な制汗剤が売られていますが、「つかわないほうがいい」という話を耳にすることもあります。いったいなぜこのように言われているのか、わかりやすく解説します。制汗剤の成分やその影響、制汗剤をつかわない場合の汗対策についても紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
制汗剤の成分とその影響

まずは制汗剤について、正しい知識を学んでいきましょう。いったいどのような成分が配合されていて、なぜ「つかわないほうがいい」と言われることがあるのでしょうか。
制汗剤が肌に与える可能性のある悪影響
制汗剤とは、汗を抑え、気になる臭いや菌を抑える役割を果たすアイテムです。シートにスプレー、ロールオンなど、さまざまなスタイルの商品があります。消臭性能にこだわったものや、クールな使い心地にこだわったものなど、自身の不快感やお悩みに合わせてぴったりなアイテムを選択できます。
一方で、「本来自然に流れ出るはずの汗を、止めてしまうことに問題はないのか?」と不安を覚える人もいるでしょう。そもそも人間が汗をかく理由の一つは、体温調節のため。汗をかくことで、体内にこもった熱を発散させています。とはいえ、制汗剤で抑えられる汗の量はごくわずかで、体温調節機能に支障をきたすほどではありません。
ただし制汗剤に含まれる成分と肌質によっては、肌荒れや乾燥といったトラブルを引き起こす可能性があります。使い方次第で、「かえって臭いが強くなった」と感じるケースもあるでしょう。そうした点では注意が必要です。
制汗剤の主な成分とその作用
制汗剤には、汗が出る穴を引き締める作用を持つ成分や、菌をやっつけるための成分が配合されています。
主な制汗成分は、以下の通りです。
- 塩化アルミニウム
- クロルヒドロキシアルミニウム
- パラフェノールスルホン酸亜鉛
- ミョウバン
塩化アルミニウムやクロルヒドロキシアルミニウムは、汗が出る穴をふさぐ作用を持ちます。一方パラフェノールスルホン酸亜鉛やミョウバンは、汗腺を引き締めることで汗の分泌を抑制します。
殺菌成分の例は以下の通りです。
- イソプロピルメチルフェノール
- 塩化ベンザルコニウム
皮膚に住む菌を殺菌し、嫌な臭いを防いでくれます。
論争がある成分について
「制汗剤はつかわないほうがいい」と言われる原因の一つは、塩化アルミニウムです。高い制汗効果を期待できる一方で、肌にかかる負担も少なくありません。赤みやかぶれといった皮膚の炎症を引き起こす恐れもあるので、注意が必要です。より刺激の少ない成分が配合された製品を選ぶのも、賢い方法と言えるでしょう。
制汗剤はルールを守って正しく活用
汗の悩みを、制汗剤を使ってコントロールするのは決して悪いことではありません。使用方法は守り、正しく活用しましょう。また何らかの異常が生じたときには、できるだけ早く専門医に相談するのがおすすめです。
制汗剤を使わない選択肢
「制汗剤はつかわないほうがいいのでは…」と思う場合、そのほかの選択肢について積極的に検討してみるのもおすすめです。4つの選択肢を紹介します。
自然派デオドラントの利用
制汗剤の使用をためらう場合、自然素材に注目してみるのもおすすめです。食品添加物としても使われるミョウバンを使ったものは、肌への負担も少ないと言われています。天然アロマを使ったアイテムなら、ナチュラルな香りを楽しめるでしょう。汗をかいたあとのベタつきを、さっぱりとした状態に整える製品も人気です。
ライフスタイル改善による汗の管理
汗が出るのは抑えられなくても、臭いは日々のライフスタイルの改善によって変えられる可能性があります。普段から汗をかく機会が増えるよう、意識してみてください。具体的には、水分を多く摂って運動や半身浴などを取り入れるのがおすすめです。汗腺の働きが活発になれば汗の質が向上し、嫌な臭いが気になりにくくなります。またこまめに汗を拭き取る習慣を身につけることで、皮脂と雑菌が混ざるのを防げるでしょう。
食事が汗の質に与える影響
人間がかく汗の質には、日々の食事の内容が深く関わっています。お酒やたばこ、香辛料を摂取すると、汗の臭いは強くなると言われています。気になる場合は、できる限り避けてください。
また肉類や動物性脂肪の摂取量が多い人も、汗や体臭の臭いが強くなる傾向があります。反対に、ビタミンCやビタミンEといった抗酸化物質を豊富に含む食品や、体内の酸化を防ぐアルカリ性食品を積極的に摂取すると、汗の臭いは気になりにくくなるでしょう。そのほかの対策方法と組み合わせて実践すると、より効果的です。
生活環境を活用した汗対策方法
汗が気になる季節には、コットン100%やシルクに麻など、天然素材の衣類を身につけるのがおすすめです。汗を吸収しやすいので、嫌な臭いが気になりにくくなるでしょう。また副交感神経優位な環境下では、人は汗をかきにくいと言われています。リラックスして過ごせるよう、環境整備に注力するのもおすすめです。
おすすめの自然派デオドラント

「自然派デオドラントに挑戦してみたい!」と思ったら、自作するのもおすすめです。初心者でも簡単に作成できるレシピと、お店で購入する場合の注意点を紹介します。
自宅で簡単にできるデオドラントレシピ
自然派デオドラントは、自宅で簡単に作成できます。用意するのは、焼ミョウバンとハッカ油、そして精製水です。精製水150mlに焼ミョウバン5gを溶かし、ハッカ油を1滴垂らせば完成です。スプレーボトルに移して使用しましょう。
焼ミョウバンは水に溶けにくいので、2日ほど冷蔵庫に入れておくのがおすすめです。ハッカの香りが爽やかに香る、簡単デオドラントの完成です。さっぱりとした使用感を好むなら、精製水の一部を無水エタノールにするのも良いでしょう。ハッカ以外の好みの香りにするのもおすすめ。自分の好きなようにアレンジできるのも、手作りならではの魅力です。
購入する際のポイント
自然派デオドラントをお店で購入する場合、どのような制汗成分や殺菌成分が配合されているのか、必ず確認してみてください。どの程度の効果を期待できるのか、判断するためのポイントになります。また主成分以外に、余計なものが配合されていないかどうかもチェックしておきましょう。アルコールやパラベン、合成香料など、身体に負担をかける恐れがある成分が無配合のものを選べば、より安心です。
過去の使用者のレビュー
デオドラントで重要なのが、使用感です。さっぱり系なのかしっとり系なのか、それともサラサラ系なのか…。実際に使用した人のレビューを参考に選ぶのがおすすめです。
効果が期待できる天然成分
植物由来のエッセンシャルオイルには、制汗作用や殺菌作用を期待できるものも少なくありません。以下はその一例です。
- ラベンダー
- ベルガモット
- サイプレス
- ティーツリー
- ペパーミント
- ゼラニウム
自作する場合も購入する場合も、ぜひ注目してみてください。
肌への負担を減らす方法
制汗剤による肌への負担を減らすためには、いくつかのテクニックがあります。自身の肌質に合わせて取り入れてみてください。
敏感肌のためのスキンケアテクニック
敏感肌の人は、制汗剤の刺激にも注意が必要です。できるだけ肌への負担が少ない成分を選びましょう。塩化アルミニウムが配合されたアイテムは避け、別の成分に注目してみてください。天然成分をうまく取り入れるのもおすすめです。
またシートタイプの制汗剤を使用する場合、肌に直接触れるシートの素材にも注意してください。ふんわり柔らかで、肌を傷付けないものを選択しましょう。スプレータイプの制汗剤も、まずシートタイプできれいにしてから使用するのがおすすめです。汗で汚れた肌に直接スプレーすると、皮膚トラブルが起きる可能性があります。
保湿の重要性と効果的な方法
肌を健やかな状態に保つためには、保湿が重要です。制汗剤を使用している場合は特に、乾燥しないよう入念に保湿ケアを行いましょう。保湿成分を配合した制汗剤なら、汗対策と同時に保湿ケアも済ませられます。ケア不足により肌の状態が悪化するリスクも低減できるので、ぜひ注目してみてください。
季節に合ったデオドラント方法の選び方
汗対策にもさまざまな方法があり、季節や状況に合わせて適切な方法を選ぶのもおすすめです。汗をかきやすい時期には制汗効果の高いアイテムを、そうではない時期には肌への負担が少ないものを取り入れてみてください。常に制汗効果が高いアイテムを使い続けるよりも、肌への負担は少なくなります。
制汗剤に関するよくある質問

制汗剤に関するよくある質問と、その回答をまとめて紹介します。
制汗剤は1日に何回使用できますか?
汗が気になるタイミングで、1日1回~複数回まで自由に使える製品も多いですが、制汗剤のタイプによって異なります。使用の注意点をよく読んで利用しましょう。
子どもでも制汗剤は使えますか?
大人よりも皮膚が薄くデリケートな子どもは、制汗剤の使用にも注意が必要です。子どもでも使用可能な、肌への負担が少ないアイテムを選ぶのがおすすめです。
制汗剤はどれも同じように感じます。どこが違うのでしょうか?
配合成分や効果に差があります。またスプレーやシート、スティック、ロールオン、クリームと、形状が違えば使い勝手も大きく変わるでしょう。複数アイテムをそろえてみて、状況別にぴったりなアイテムを使用するのもおすすめです。
無香料タイプのメリットとデメリットは?
無香料を選ぶメリットは、余計な香りが混ざらないことです。香水や柔軟剤の香りの邪魔になりません。一方、無香料だからといって完全に無臭とは限りません。香料によるごまかしが利かないところも、デメリットだと言えます。
本記事読者におすすめしたい商品
「肌への負担が気になるものの、どの制汗剤を選べばいいのかわからない」と悩む人には、自然由来成分を使ったアイテムがおすすめです。Naturiasで人気の商品を2つ紹介します。
フレッシュシトラスで爽やかさアップ
アイスミントで夏にも快適
制汗剤の成分や特徴を知り賢く活用しよう

「制汗剤はつかわないほうがいい」と言われると、「夏の汗対策はどうすれば良いのだろう…」と困る人も多いでしょう。制汗剤について正しい知識を身につけて、自分の肌に負担がかからないものを選ぶのがおすすめです。天然成分にも注目して、親も子も安心して使えるアイテムを探してみてください。