生理前に、「やたらとトイレが近くなる」と感じる女性は少なくありません。「もしかして自分だけ？」「異常のサインなのでは…」と不安を感じている人もいるのではないでしょうか。

生理前のトイレの頻度は、個人差も大きいポイントです。原因と対処法についてくわしく解説していくので、自分の身体を知るためにも、ぜひ最後までご覧ください。

生理前や生理中にトイレが近くなる原因

生理前や生理中にトイレが近くなるからといって、身体に異常があるとは限りません。生理と尿の関連性について、4つの視点から解説します。トイレが近くなる原因を知り、不安を解消しましょう。

ホルモンの変化が影響する理由

生理前後の時期には、女性の体内のホルモンバランスは大きく変化します。気分の浮き沈みや肌質の変化、PMSのほか、自覚症状として「頻尿」が現れるケースも少なくありません。

生理が始まる前の1週間は、黄体ホルモンであるプロゲステロンの分泌量が急激に上昇し下降します。実はプロゲステロンには、尿道に関わる筋肉を緩める作用があるそうです。

また生理前の時期には、ホルモンバランスの変化により子宮が少し大きくなると言われています。女性ホルモンと頻尿の関連性について、まだはっきりとしたことはわかっていないものの、トイレのタイミングが変わる原因の一つと考えられます。

子宮の収縮と膀胱への圧迫

生理前や生理中に下腹部がチクチク痛む理由の一つは、子宮の収縮です。はがれ落ちた子宮内膜を体外へと排出するための動きですが、隣接する膀胱に影響を与えるケースも少なくありません。

自律神経の乱れによる影響

生理前や生理中のホルモンバランスの変化は、自律神経系にも影響を及ぼします。結果として体内の水分バランスが乱れ、頻尿やむくみといったトラブルを自覚する人も多いようです。

個人差がある要因

生理前のトイレの近さには、個人差があります。日常生活に支障をきたすほどトイレの間隔が近くなってしまう人もいれば、「普段とまったく変わらない」という人もいるでしょう。

女性ホルモンの影響で生理前にのみ頻尿症状が現れる場合、PMSの一つと考えられます。

個々の性格や生活習慣、ホルモンバランスなど、PMSに影響を与える項目は多々あります。個人差があるのは当たり前で、「人と違うから」と気にし過ぎる必要はありません。

トイレが近くなることの身体的・精神的影響

トイレに行く機会が増えると、日常生活にさまざまな影響を及ぼす可能性があります。具体的にどのような影響があるのでしょうか。3つのポイントを解説します。

日常生活に及ぼす影響

トイレが近くなると、常に不安を抱えることに。長時間トイレに行けないと予想される活動は、制限されてしまうでしょう。

トイレが近くにない場所へのお出かけや長時間の仕事や社会活動も、困難になってしまいます。また過度に水分摂取量を減らした結果、脱水症状や熱中症になる危険性も。生活の質を低下させる恐れがあります。

睡眠の質への影響

トイレのタイミングが近くなり困るのは、日中だけではありません。夜間に何度も起きれば、睡眠の質が低下します。

日中の生活にも影響を及ぼすでしょう。眠気や集中力の低下により、作業効率も悪くなります。

メンタルヘルスに与える影響

頻尿の悩みは、精神面にも非常に大きな影響を及ぼします。「常にトイレのことを考えてしまう」「ストレスでさらにトイレの間隔が近くなってしまう」といった事例も少なくありません。

メンタルヘルスの悪化により外出さえ億劫になれば、さらなる悪循環に陥ってしまう可能性も。生理前の一時期のことであっても、トイレの間隔にストレスを感じているのであれば、適切に対処する必要があります。

個々の対処法の重要性

ここまで見てきたとおり、頻尿は女性の生活に重大な影響を及ぼします。生理前のデリケートな時期だからこそ、適切に対処し不安を和らげましょう。

トイレが近くなる理由はそれぞれで異なるため、正しい対処法も違ってきます。身体と向き合いながら、自分に合った対策を取り入れることが大切です。

トイレが近くなることへの簡単な対策方法

日常生活にほんの少しの工夫を取り入れるだけで、ホルモンや自律神経のバランスを改善させられる可能性があります。

誰でも実践しやすい簡単な対策方法と、医師に相談したほうが良いケースについて解説します。

水分摂取の管理方法

生理前には尿意を感じやすくなるものの、摂取水分量以上の尿が作られることはありません。過剰摂取を控えるだけでも、トイレのタイミングをコントロールしやすくなるでしょう。

1日の水分摂取量は、体重の2～2.5%が目安です。体重50kgの場合、1～1.25ℓが適正量となります。

カフェインやアルコールの摂取を控える

カフェインやアルコールには利尿作用があり、摂取量が多いとトイレのタイミングが近くなります。頻尿が気になる場合、摂取を控えてみてください。

特に夜寝る前の摂取は要注意です。頻尿により、睡眠の質を低下させる恐れがあります。

骨盤底筋を鍛えるエクササイズ

骨盤底筋とは、膀胱や子宮といった臓器を支える役割を担う筋肉のこと。頻尿や尿漏れといったお悩みとも密接に関わっています。

簡単なエクササイズで筋力をアップすれば、お悩みを解決できるかもしれません。

姿勢良く立った状態で、テーブルに手を付きながら下半身に力を入れましょう。肛門や膣、尿道などを、キュッと引き上げるイメージで締めてください。

何度か繰り返し行うことで、筋力アップを目指せます。

ストレスを軽減する方法

トイレのタイミングにストレスを感じている場合、まずは自分自身の不安を取り除きましょう。「もしかして病気かも…」と悩んでいる場合、思い切って医師に相談してみると、問題を解決できる可能性も。

「病気ではない」という事実がわかるだけでも、ストレスを軽減できるはずです。

また同じような悩みを抱えている人同士でつながり、情報共有するのもおすすめです。相談できる場を持つことも、ストレス削減につながります。

医師への相談が必要な場合

生理前にトイレが近くなる場合、なんらかの病気が隠れている可能性も。頻尿以外に痛みや出血といった症状が見られる場合、医師に相談してみてください。

これらの症状がない場合でも、日常生活に支障が出ている場合は注意が必要です。婦人科や泌尿器科にて、相談してみてください。

食事や生活習慣で改善する方法

生理前のトイレの近さで悩んだ時には、日々の食事や生活習慣にも気を配ってみてください。リズムを整えるために役立つ情報を紹介します。

排尿頻度をコントロールする食べ物

生理前のトイレのタイミングをコントロールするためには、ホルモンバランスを整える食生活を意識するのがおすすめです。具体的には、以下のような食材を積極的に摂取してみてください。

• 大豆食品
• マグロ
• カツオ
• ナッツ類
• アボカド
• 卵

大豆食品には、女性ホルモンと似た働きをする大豆イソフラボンが豊富に含まれています。マグロやカツオに含まれるビタミンB6も、女性ホルモンをサポートすると言われています。

ナッツ類に豊富なビタミンEはホルモンの分泌をコントロールする作用があるとされ、アボカドや卵に含まれるパントテン酸はストレス緩和に役立ちます。

さまざまな食材をバランス良く摂取しつつも、これらの食品をぜひ積極的に選んでみてください。

規則正しい生活リズムの確立

ホルモンバランスを乱さないためには、規則正しい生活が必須。睡眠や食事のリズムを整え、適度な運動も習慣化するのがおすすめです。

特に睡眠については、意識して整えるのがおすすめです。夜寝る前の行動にも注目して、できるだけ質の高い睡眠をとりましょう。

日々の水分補給の見直し

生理前には不快な症状を和らげるため、無意識で水分摂取量が増える人も少なくありません。「トイレが近い…」と悩んでいる場合、一度自身の摂取量について、客観的に見つめ直してみるのもおすすめです。

生理前に極端に増えている場合、適正量まで減らすのも良いでしょう。またコーヒーを大量に摂取している場合、別の飲み物への置き換えも検討してみてください。

適度な運動がもたらす効果

適度な運動は、血液の巡りを良くし、ストレスを軽減させる効果が期待できます。適度に汗をかけば、トイレの間隔も空きやすくなるでしょう。

専門家の意見や体験談を知る方法

生理前のトイレの近さで悩んでいる場合、他者の意見や体験談に耳を傾けるのもおすすめです。情報の探し方や取り入れる意義について解説します。

体験者の声を取り入れる意義

自分と同じ悩みを抱えている人の声を聞くことは、不安感を和らげストレスを軽減させる効果が期待できます。みんながどのような対策をしているのかがわかれば、自身の生活にも生かせるでしょう。

専門書籍やガイドの活用方法

生理前後の女性の悩みに関する情報は、さまざまな媒体で広く公開されています。自分自身の口で語るのをためらう場合には、こうした情報も活用してみてください。専門書籍のほか、インターネット上でも多くの情報を収集できます。

オンラインフォーラムやコミュニティの活用

「身近な場所では似た悩みを抱えている人と出会えない」「知っている人に悩みを打ち明けるのは恥ずかしい」という場合、オンライン上のフォーラムやコミュニティを活用してみてください。

自宅からでも参加可能で、子育てや仕事で忙しい女性でも利用しやすいでしょう。

セミナーや講座への参加

より専門的な知識を身につけたい場合には、セミナーや講座への参加を検討するのもおすすめです。

オンラインのような手軽さはないものの、「専門家による生の情報に触れられる」「質疑応答の機会がある」といったメリットがあります。

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生理前の悩みは人それぞれ。トイレが近いことに悩んでいるのは、自分だけではありません。原因や対処法を知っていれば、症状の改善も目指せるはずです。

今回紹介した情報も参考にして、自分に合った対策を採り入れてみてください。